こんにちは、ごきげんな日々を暮らすノオト(@mantennote)です。
エリクソンの「ライフサイクル論」を知っていますか?
わたしは終活、終末期ケアから知ったのですが、子どもの精神発達段階のことで保育士試験や教員採用試験にも出る心理社会的発達理論。
子育てが大変だなと感じている方も、ライフサイクル論を理解しておくと何かしら気づきがあり、ちょっとラクな気持ちになれるかもしれない。
エリクソン
「ライフサイクル論(心理社会的発達理論)」
子育てに活用できそうなポイントを押さえ、わかりやすくまとめてみました。
生まれてから死ぬまでの人生の各段階では、その時に必要な課題があり、やり残したままでは将来トラブルになりやすい。
赤ちゃん、幼児、小学生の時期・・・それぞれの時期には精神発達においての課題があって、その時にきちんと乗り越え基盤を作っておくことが大切!
例えば、2歳くらいのトイレトレーニング。
「うまくできなくて恥ずかしい」より「できてうれしい」の気持ちが上回り、自律性(自分で考え自分でコントロールできること)を習得する期間・・・
子育て時期にエリクソン「ライフサイクル論」を知っておくと、「なぜ、子どもがそのような行動をとるのか?」ということが理解でき、一緒に寄り添い乗り越えようと思えるヒントとなると思います!
エリクソン「ライフサイクル論(心理社会的発達理論)」について
E.H.エリクソン(Erik Homburger Erikson)について
E.H.エリクソン(Erik Homburger Erikson)1902-1994年。ドイツ生まれ、アメリカの発達心理学者、精神分析家。ウィーンでアンナ・フロイトに出会い、発達理論に基づいて心理社会的な課題の達成を重視した「ライフサイクル論(心理社会的発達理論)」を提唱。
エリクソンは保育士試験や教員採用試験にも出るとても有名な人物。
文部科学省の学習指導要領では、子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題を
「乳幼児期」
「学童期」
「青年前期(中学校)」
「青年中期(高等学校)」
の4段階に分けているのは、エリクソンの考えとも言われています。
ライフサイクル論について
人間の一生をライフサイクルとして、精神発達の過程を8つの段階に分ける。
各段階にある課題を克服することで精神的発達を遂げる、基盤ができるとして理論化。
※書籍によって年齢が変わる場合もあり。
人生の8つの精神発達段階の各時期と課題と得られる基盤
人生の時期 | 課題 | 獲得される基盤 | |
① | 乳幼児期 (0~1歳) |
基本的信頼 VS 不信感 | 希望 |
② | 乳児前期 (1~4歳) |
自律性 VS 恥、疑念 | 意思 |
③ | 乳児後期 (4~6歳) |
積極性 VS 罪悪感 | 目的 |
④ | 児童期・学齢期 (6歳~12歳) |
勤勉性 VS 劣等感 | 有能感 |
⑤ | 青年期 (12歳~22歳) |
同一性(アイデンティティ) VS 同一性の混乱 | 忠誠心・帰属感 |
⑥ | 成人期 (22歳~30歳) |
親密性 VS 孤立 | 愛 |
⑦ | 壮年期 (30~50歳) |
世代性 VS 停滞性 | 世話 |
⑧ | 老年期 (50歳~) |
自我の統合 VS 絶望 | 智慧 |
8つの精神発達段階【まとめ】
①乳幼児期(0~1歳)【希望】
おむつを替えてもらったり、おっぱいやミルクをもらったり、お世話をされ関わり合いを通じて基本的信頼が得られる。希望をもつ。
そうでなければ、不信や不安になる。
②乳児前期(1~4歳)【意思】
成長過程の中で、例えばトイレトレーニングを通じて排泄のコントロールできるようになり、自律性(自分で考え自分でコントロールできること)をもつ。意思をもつ。
うまくできない場合、恥ずかしい、知られたくないと思い、恥や疑念に執着してしまう。
③乳児後期(4~6歳)【目的】
いろんなことに挑戦し目的をもった積極性が高まる。
失敗すると周囲から怒られたりしてしまうかもしれないという恐れ=罪悪感を持つようになる。
④児童期・学齢期(6歳~12歳)【有能感】
集団での学習や競争を通して社会に出てからの勤勉な生き方の基盤を作る。与えられた課題をきちんとこなしていくことで自信につながり、自分にはやれる!できる!という感覚を得る。
自分はできないという劣等感を抱いてしまうと、その後の人生にマイナスの影響が出る。
⑤青年期(12歳~22歳)【忠誠心・帰属感】
自分とはどういう人間であるかを知り、自分が他人にどう見られているかということに関心を持つ。自分自身を客観的に見つめ、自分の価値や能力とともに短所も認識。
同一性(アイデンティティ)が確立できないと、社会的責任の猶予期間が延びていつまでも成長でいない子どもに。
本人が自分自身を客観的に見つめている時期なので、親としては温かく見守ることが大切。
⑥成人期(22歳~30歳)【愛】
社会人となり職場の同僚や仲間など信頼し合う人間関係を築くことで生産性を高めて社会に貢献する。また異性と出会い、結婚して家庭を持ち、子育てをすることも親密性となる。
できない場合、孤立を感じる。
⑦壮年期(30~50歳)【世話】
職場での後輩育成や子育てなど、次の世代がよりよく生きられるように貢献する。
業績を積み上げたとしても次世代に伝えようとしない状態は停滞性。
⑧老年期(50歳~)【智慧】
人生を振り返って自分自身を受け入れることができ(統合性)、満足していると豊かに幸福に人生を終えていくことができる。
しかし、後悔の多い人生であった場合、死への絶望となる。
発達課題とは各段階で乗り越えるべきテーマ
それぞれの発達課題を順番に達成したとき、次の段階に進めるとエリクソンは提唱しています。
なにか問題が生じた場合、それ以前に達成できなかった発達課題が潜んでいることが多く、そのときはそこに戻ってやり直す必要があります。
ずーっと課題が残ったままであれば将来、終末期にトラブルとして出ることも。
その年齢以降であっても「自分はダメかもしれない」と考える必要はありません。それぞれの時期にしか身につけられないものではなくて、気づいた段階で立ち戻り課題に向き合うことでも大丈夫です!
さいごに・・・
わたしは、終活、終末期について学んでいるときに知り、ちょうど子育て中なのでそれぞれの時期には精神発達においての課題があるということにとってもビックリするとともに納得できました。
エリクソン「ライフサイクル論(心理社会的発達理論)」は教育方面から知ることが多いと思われます。
人生の終わりを迎えるころ、人生その時期その時期の課題をこなしていなかった場合は何かしらトラブルを起こしたり問題となることが多いようで、後悔しないように生きることに通じるのかもしれません。
人生は繋がっているんですね。
わたしの子どもは小学生で児童期・学齢期!
自分はやれる!できる!という有能感を得る時期なので、今後の人生をよりよく生きるためにも自分はやれる!できる!と思いながら過ごせるように親として寄り添いたいと思いました。
エリクソンの発達段階の課題を知っておくと「今これを習得するためにがんばっている時期なんだな、今の課題はこれなんだな・・・」
大変な子育てもちょっぴりラクに感じて見守れるかもしれませんね。
今回は「子育てに活かす♪発達心理学者エリクソン・ライフサイクル論について」という情報をお伝えしました。
これからも、ごきげんな日々を暮らせるような素敵な情報をご紹介していきたいなと思います。